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「人が自分を悪く言って いるような気がする」。 これは「相手の顔も 見ない」がつくる。 認知症の周辺症状 という。 誰もがおこなっている 「人の顔も目も 見ない」がつくる脳の働き方の しくみを教える。
《相談の事例》
わたしは32歳の女性です。家族と同居しています。会社で事務の仕事をしています。 わたしは、会社に行くのがとても嫌です。会社に行くと玄関があります。 その玄関を見るだけで心臓がドキドキします。 仕事にとりかかると、時計ばかりを見ています。早く仕事が終わればいいとそればかりを考えています。 私は人と同じように仕事ができません。与えられた仕事はあります。「こうすればいいかな」と思って仕事をしても、後で必ず、誰かが手直しをします。 もう何度も手直しされるので、「どうせまじめにやってもダメなのだから」と初めからゆっくりゆっくりやるか、手直しを当てにして適当に手抜きをしています。だから、いつも「仕事を失敗しないだろうか」とビクビクしています。 他の人がホメられると、異常に思えるくらい嫉妬します。 わたしは、昼休みの時間、みんなが集まっている部屋に行きます。誰かがおもしろいことを言うとみんなはドッと笑います。わたしは、おもしろくもなんともないのですが、ムリして笑います。 誰かが言ったことで、おもしろくもなんともないことを、わたしは笑うのです。ひとりで笑いころげて、笑いが止まりません。
帰りはバスです。わたしは、このバスが嫌なのです。乗客がじっと見ているようで緊張します。乗客から何か悪口を言われているような気がします。笑い声が聞こえてくると、「あ、わたしのことを笑ったのかな?」と気になります。 わたしは、「じぶんは、他の人と違っておかしいのではないか」と思います。他の人がスイスイできることがわたしにはできません。だからいつも劣等感を感じています。わたしは、いつも自分が不安でないと不安に感じるのです。不安になると、いつでも、どこでも意味もなく数字を数えるのです。何をするにも数字を数えながら動作をおこなうのでとても時間がかかるようになりました。 わたしは、頭の中がごちゃごちゃして何も判断ができなくなっています。 スマホの画面を見るときだけが、何も考えずにすむので安心しています。 (山口順子(仮名)、女性、32歳、銀行員)
《ポルソナーレのカウンセリング》 相談者の山口順子さんは、「会社に行くのが嫌だ」、「仕事は適当におこなう」「人が笑うことはおもしろくなくて、他の人がおもしろいとは思わないところで笑い声を出し、笑いが止まらない」、「バスの中で人が自分を見ている、バスの中の人が自分を悪く言ったり、笑ったりする」、「意味もなく数字を数えながら行動する」「自分に自信がなくて、不安でいるのがあたりまえで、不安をかんじていないときがむしろ不安である」といっています。 |