[3783-2] 谷川うさ子 2015/10/02(金)13:19 修正時間切れ
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山口順子さんは、仕事の中で、仕事の指示や説明を聞くときに、ノートを開いて、せっせと「説明の言葉を耳で聞きながら、話されていることを書き取る人」です。 そうでなければ、「この仕事はこうすればいいのではないかな」と自分の記憶だけで仕事をするということはおこないません。
学校の授業で教師が説明することにしろ、仕事の中で上司が仕事の説明をおこなうことにせよ、説明されていることをひたすらノートに書き取るというのは、不可能なことです。なぜならば、ノートに書き取るスピードよりも、話す言葉のスピードが速いので、書き取っているつもりでも、書き取れていない言葉や説明の主旨の方が多いからです。 それにもかかわらず、なぜノートに書き取ろうとするのか?というと、自分の気持ち(感情、欲)をベースにして、自分が気に入った言葉を選んで自分の解釈で書くのです。
脳の働き方の言葉の生成のメカニズムからみると、人間の「目」は自律神経の交感神経が「遠くの対象」を認知します。認知とは、ものごとのしくみや規則性を分かる、ということです。 この「遠くの対象を見る」というのは「目の働き」の「ゲシュタルト形態原理」が働くということです。「ゲシュタルト原理」ともいいます。これは有名な法則です。 空の雲の動きや色を見て「雨が降りそうだ」とか、「明日は晴れそうだ」と判断できるのは「眼のゲシュタルト原理」が働いているからです。 「ゲシュタルト原理」は、かくべつ学校で勉強しなくても「これは正しい」「これは間違っている」と行動のルール、きまりを分かるし、ルールのとおりに行動する能力をつくり出します。 こういう「目の働き」があるから、人間は、0歳児、1歳児にかけて人間にとって非常に重要な脳の働き方のしくみを完成するのです。 1歳半から人間は、言葉を少しずつ話し始めます。 人間の脳幹の上に位置している「視床」が、感覚のセンターの働きをしています。五官の感覚の知覚を「左脳」「右脳」に分けて送るという働きをします。 この「視床」の中に視覚の中枢神経の「外側膝状体」があります。「外側膝状体」とぴったりくっついているのが「内側膝状体」です。「内側膝状体」は「聴覚」の中枢神経です。 目と耳の働きは、「視床」でくっついていて、いつも共時して働くということです。 人間の「目」と「耳」は同時に連動し合って働いているのです。 このしくみは、非常に重要なことです。 「人と話をする」「人の話を聞く」というときに、「相手の顔、目を見る」というのは自律神経の交感神経が働くということです。 ここでは、「ゲシュタルト原理」が働くので「話すこと」「話される言葉」の中味の「論理」とか「言葉の意味」を認知する脳の働き方になります。
事例の山口順子さん(仮名)のように「仕事が分からない」「仕事に失敗が多い」のは、「目」と「耳」(視覚と聴覚)の交感神経が全く働いていないことが原因です。 山口順子さんの「目」と「耳」(視覚と聴覚)は、「副交感神経」しか働いていません。 これは、脳の交叉支配の法則によって、「右脳」の「視覚野」と「聴覚野」が働きます。 「右脳」は、「非言語野」です。「言葉」を意味としてではなく、自然音として「見る」「聞く」のです。 だから、仕事で説明されている言葉は、「5W1H」にもとづく行動の目的とか対象の内容は全く分かりません。 「これから、今日の仕事の予定と各自の役割分担を説明します」(上司の説明)は、「これからヒューヒュー、今日のザーザー、ピューピューッ、各自のザワザワ、ミャーミャー、ワンワン」のようにしか聞こえないのです。
日本語は、已然と未然の構文による言葉なので「自分の食欲と性欲」にもとづく感覚で、「行動」だけを可能にします。 目の「感覚」、耳の「感覚」だけが働く交感神経が働くのです。 「目の働き」と「耳の働き」の「認知」や「認識」のための働きは、「左脳・言語野」(副交感神経)が働く必要があります。 「内容はどうでもいい、とりあえず手、足が動けばいい」という行動成立のさせ方の典型は「丸暗記」です。これは、「今日の仕事の予定と各自の役割分担を説明します」(上司の説明)を「各自の役割」だけを選択して、この言葉だけをひろいあげて憶えるということです。だから山口順子さんは、「自分の仕事の役割は、こんなもんでいいんじゃないの」とと適当に、そして手抜きをしておこなっているのです。 |
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