谷川うさ子の「今日の一言」掲示板


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[3777-1] 読むだけで幸せになる手紙・「老衰死」はなぜ、起こるか? 谷川うさ子 2015/09/22(火)16:59 修正時間切れ
       NHK・TV「NHK
       スペシャル」(平成27年9月20日)で
       「老衰死」を特集して
       放映していた。
       「老衰死」に至る人を
       取材していた。体の中の
       細胞、脳の細胞も
       ふくめて「再生されない
       こと」が機能の低下を
       招く、という主旨
       だった。
       生理学的にはそうかも
       しれない。
       だが、その「老衰」に
       至るまでとその経過は
       かなりの異常な
       ものだった。
       家族も施設の人も、
       医療者も、「老人」の
       「顔、目を全く
       見ない」のだ。

 「NHKスペシャル」(TV番組)の「老衰死」を観て気づくことがある。
 自宅にいる高齢者が食事を摂る場面で、ひとりでもくもくと食べている。誰も話しかけないし、誰も「老人」の顔と目を見て、「話させよう」ともしない。
 ここでは、人間の脳の「短期記憶」と「長期記憶」のうち、「短期記憶」の脳の部位しか働いていない。「高齢者」も「家族の人」も、だ。
 「短期記憶」とは、一般に考えられているように、「短い間しか憶えられないこと」のことではない。すぐに消えてなくなること、この現実に少しの間しか滞在しないものを憶えることをいう。
 哲学による正しい語義とは、こういうものだ。
 
 TVでは、施設の職員が「高齢者」の世話をする場面が取材されていた。食事の世話だ。
 職員は、白い大きなマスクをして、ゴム手袋をつけて、スプーンを持ち、食物を高齢者の口に入れていた。
 「だんだん食べる量が減っていますね」と言っていた。
 「これが衰弱死の始まりです」と医者は言う。
 試しに、家族の人の全員が「白いマスク」をつけて、ビニール手袋をつけて食事を運んで来て、「白いマスク」の目だけで見られる中で食事をしてみるといい。誰だって「衰弱」していくのではないか。生きた心地がするものか、どうかを、職員も施設の責任者も医療者も、試してみるといいのだ。

 見舞いに来た息子がいた。中年の男性だ。
 ベッドの中に寝ている老いた母親をベッドの側で見ている。
 顔に、大きな白いマスクをつけていた。
 声を聞けば自分の息子だとは分かるだろうけれども、お互いに、「顔も目も見ない」ので全く「認知の能力」が働かないのだ。
 
 「あなたは誰ですか?」と顔とか、名前を「忘れる」ことの方が、よっぽど人間らしい関わり方になる。
 このテレビの中に出てくる息子は、おそらく、風邪のウィルスかなにかを心配しているのだろうけれども、実の母親の「目で見る」ことの「感覚の知覚」を拒否して遮断している。すると、母親であることはもちろん、「生きている人間」であることも分からなくなる。
 これが「体験を忘れる」という認知症の中核症状なのだ。



[2025/08/02 18:18] 谷川うさ子の「今日の一言」掲示板 管理人 谷川うさ子