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「アスペルガー症候群」の 症状はいくつもある。 一つは、人の話を聞いても 「理解できないこと」だ。 印刷された文章も 理解できない。 ディスプレー表示の字、 文、文章はもっと 理解できない。 対策は、ルールの学習と 気がついて幸せになった物語。
『ぼくはアスペルガー症候群』(彩図社)を書いた権田真吾さん(42歳・コンピューター関係の会社員)の告白がケーススタディです。 「ぼくはアスペルガー症候群の男性である。みなさんは、アスペルガー症候群という障害をごぞんじだろうか?」。 「人の話が聞けない」(その場の状況にはかまわずにひとり言のように話して暴走する)、「空気が読めない」(職場のルールの『ホウレンソー』(報告、連絡、相談)を無視して一人遊びのように行動する)などによって、「変なヤツ」「変わっているヤツ」と見られて目立っている人のことだ、と説明します。
「ぼくは、人の話を理解するのが苦手です。 上司から、自分の仕事の実績をアピールすることは大事です、と言われました。プレゼンテーションができなければならない、という話です」。 権田さんは、上司の話を、自己アピールとは売名行為、自分という人間を不正に高く売ること、やってもいないことをデッチ上げること、と理解しました。 お客に媚を売り、スタンドプレーをして目立つことだと理解したのです。 「自分なりの思い込みが激しく、こうだと思い込んで信念にしてしまい、他人の話を理解するのが非常に難しく、困難に感じています」。
権田真吾さんは、医者から「あなたはアスペルガー症候群です」と診断されました。 「もの忘れがひどく、目で見ていることも憶えられないのです。マニュアルを目で見ているのに間違えます。プリンタの操作手順も憶えられず、上司からは無能扱いを受けました。 ぼくは、自分が認知症ではないか?と疑いました」。 脳神経外科を受診しました。 CTスキャンを受けました。 脳細胞の萎縮は認められません。 大人用のアスペルガー症候群を診断する病院を受診して「アスペルガー症候群です」と診断されました。 会社を二度も辞めさせられて、今の会社でも失敗、ミス、トラブルを続発させて信用をなくしています。 「まじめに仕事をする気があるのか!」と上司に一喝されました。 「ぼくはアスペルガー症候群です」と診断内容を話しました。 上司は、「面倒な部下を抱えている」という怒りの表情をあらわしました。 |