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日本語には話し方の 法則がある。日本の文化だ。 話し方の法則は 相手が話した言葉を 必ず話す。これを 改善して幸せになった物語。
初夏野朝子さん(仮名・32歳)は、小さな会社の事務の仕事をしています。 建築の設計事務所です。 初夏野朝子さんのつとめる職場からは富士山がよく見えます。夏になると月見草の花が道々に咲いて、しゃぼん玉のように風にゆれて富士山によく似合います。 初夏野朝子さんは、夕方になるときれいに咲く月見草のように優しそうな女性です。 「仕事はていねいで、しっかりやってもらっています。お客さまの評判もよくて経営を支えてもらっています」 所長の小田川吾郎さん(60歳・仮名)のお話です。 わたし、人に言えない、話すには勇気のいる恥しい症状で悩んでいます、と初夏野朝子さんは言います。 「わたしは、ひどい赤面症なのです」。
赤面症に気づいたのは中学2年生のころだといいます。 当時は、赤くなったね、と言われても気にしませんでした。好きな男の子の名前を言われて、あ、当ってると思ったら顔がパッと赤くなった程度でした。 二度目のときは、クラスの男の子から家に電話がかかってきたときでした。 兄から、顔が赤いよ、と言われて、なんでこんなに顔が赤くなるのかなあと思いました。このころまでは、友だちもたくさんいて明るく、元気におしゃべりもしていました。 「わたし、なんでこんなにすぐに顔が赤くなるの?体質かな?」 気にしなかったのですぐに治るでしょう、と楽観的でした。死にたいと思う位に重症になるとは夢にも思いませんでした。 くったくなく、富士山によく似合う月見草の咲く道を帰宅していました。
ちょっと異常じゃないかなと思ったのは20歳のころです。 大学生のときでした。大学でも、お友だちと話しているとき少しずつ意識していました。何か言えば顔が赤くなりそうだと思って、なるべく話さないようにしていました。にこにこして話を聞く、うなづいて共感をあらわすようにしていました。 友人に誘われて化粧品の対面販売の店に行きました。ここでじっと顔を見られて話しかけられました。 「顔にも、背中にも汗が出てきたのです。顔が夏の日光に照らされたようにじりじりと熱くなったのです」。
家族と話をしても気が休まりません。何かを言えば顔が赤くなるという気がします。黙って横を向きます。黙って目立たないようにして顔が赤くなるのを必死でおさえます。 気が休まるのは、一人のときです。スマホをじっと見ていると、別世界にふわりとジャンプしたように思い、顔が突然に、ボン!!と赤くなる現実から逃れられて安心します。 |