[3660-2] 谷川うさ子 2015/02/02(月)13:56 修正時間切れ
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また、自分自身の励ましのために「がんばる」を使うときももう少しひと工夫してみよう。 たとえば「今年こそ英語をマスターするようがんばろう」「ダイエット、がんばろう」では、何をがんばるかが具体的ではない。 そこで「欠かさずラジオ講座を聞くようにがんばろう」「一日一万歩、必ず歩くようにがんばろう」と具体的に言うようにしよう。 そうすれば、行動に結びつく。そして、それができるようになったら「がんばろう」はやめる。「する」と言いきろう。 「欠かさずにラジオ講座を聞く」「一日、一万歩歩く」。 こう言い切ることで目標達成へ近づくことができる。 なにより、やったかやらなかったかがはっきりとわかる。 「がんばろう」の困ったところは、「がんばったか、がんばらなかったか」に客観的な基準がないことだ。 ウォーキングならば、「一万歩を目標にがんばったけど、5000歩しか歩けなかった。でも、がんばったからいいよね」とつい自分に甘くなる。 「一万歩、必ず歩く」なら、「5000歩だった。一万歩には足りなかった」と認めざるをえない。「がんばったからいいや」という甘えが入る余地がない。
■ポルソナーレからのメッセージと、カウンセリングの見地からお伝えすることについて
大嶋利佳の『なぜ、あの女(ひと)の話し方は「強くて美しい」のか?』の中の「がんばりますをやめてみよう」の一節をご紹介しました。 大嶋利佳は、「がんばります」「がんばる」という言い方は、自分を励ますための言い方なら有効であると説明します。 他人にたいしては「がんばります」とは言わない方がいいとアドバイスします。 「明日までにおこなう」とか「明日の午前中に完成します」などの客観的な基準が話されていないからだ、が「やめた方がいい」理由です。 何をがんばるのか?と具体的に言うことが大事だと言うと美しい言い方になります、といいます。そして、「がんばる」という言い方をやめて、「する」(おこなう)と言うと、実行しないことの甘えがなくなるといいます。 「がんばります」と言うと、実行できなくても、指示された仕事が完成しなくても、「私はこんなにもがんばった。私のがんばった姿勢は認めてほしい」という甘えが出てくる、というのが「する」と言おうの理由です。 「よくがんばった」ともし上司が言わなければ「がんばった」姿勢を認めてくれなかった不満を抱えることになる。「する」(おこなう)と言えば、実行できなかった結果を認めざるをえなくなる。次の行動では、「いつまでに、何を、どのように実行するか」という取り組み方の言葉を言えるだろうといっています。
■ポルソナーレは、この「がんばります」をどのように見るのか?どのように理解するのか?をお伝えします。大嶋利佳のあげている事例を物語ふうに構成してみます。
山田順子さん(仮名・35歳)は、小売り店のグループ会社の本社に勤めています。 仕事は、小売りのグループの各店に、売り上げを伸ばすための営業戦略担当者に営業戦略上の提案をおこなうことです。 日本の経済社会は、長い間物価が下がるというデフレ不況がつづいてきました。働く人の賃金は上がらない、しかし円高で輸入物価は高いので、小売りの経営はコスト削減を強いられて苦しい経営がつづいていました。 そこへアベノミクスとか日銀の異次元金融緩和が始まりました。 小売り業は「安く売る」という売り方だけでは商品を売りにくくなりました。円安になり、輸入物価が高くなって、商品の原材料費が高くなったからです。 山田順子さんは、上司の山口部長から、販売会議の資料の製作を頼まれました。 |
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