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一つのことが気になる、 それがずっと頭から離れない。 誰かの声だったり、歌だったり。 治し方は簡単、今は 幸せ、という物語。
わたしには、結婚の約束をしている彼がいます。中学2年生のときに同級生だった男性です。中学2年生から恋人関係になりました。 わたしは、いま25歳です。 ずっと恋人関係をつづけてきています。 その彼にも言えないのが、頭の中に誰かが話している声が思い浮んで消えないことです。
会社では営業の事務をしています。大学を卒業して入社しました。一年目は先輩の女性2人からひどくいじめられました。 わたしはじぶんでいうのははばかられますが、とても可愛かったので男性上司からとても親切にされました。その2人の女性の先輩はそろって退社しました。 新しく後輩になる女の子が入社してきました。 四月野雪子さんです。相性がよく、楽しくお話できます。 ひとつだけ困ることがあります。 わたしの部屋に人形があります。その人形にわたしの魂が移って、寝返りをうつんです。わたしが動くと、目が動いて、わたしの姿を追うんですよ。
わたしは、こういう話は大嫌いなのです。すぐに信じてしまうからです。 「人形に魂が移るんですよ」。 この日からこの言葉が頭の中にこびりついて離れなくなりました。わたしの部屋にも人形がたくさんあります。どれも大事にしています。部屋に入って人形を見るのが、なんとなく不安になりました。
わたしの頭の中は、じぶんの頭じゃないみたい、勝手に動いている、とハッキリ自覚したのは中学3年生のときでした。 受験勉強をしていると歌が流れるのです。 「何をやってんの?」と思いました。勉強しているのに頭の中に歌とかメロディが思い浮ぶと集中できません。 学校の先生に相談しました。 「受験のストレスだ。病院など行く必要はない」と言われました。 病気じゃないんだと安心すると、受験勉強にうちこむことができました。 |