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認知症とは、モノ忘れのことだ と誤解している人は多い。 また、老人(高齢者)の 問題だと誤解して いる人も多い。 周辺症状は、若い人が つくる。 周辺症状の一つ 「赤面症」の原因と 対策を教える。
《事例》
わたしは、パン店を経営しています。45歳の主婦です。妹に手伝ってもらってパン店を始めて5年になります。 パンは、おかずパンが中心です。 焼ソバ、カレー、タコ焼、などのおかずを詰めたパンです。お昼や夜食の代わりに食べてもらって、店のオープン時からたいへん好評でした。 店が順調になった年の秋の日のことです。その日は、秋の気温のいい日でした。 わたしは、自分が赤面症であったことを思い出しました。人と話をしているときに、顔がぽっとほてる感じがして、自分の顔が赤くなることを思い出して、顔が火であぶられたように赤くなったのです。
わたしは、結婚すると、パートに出るようになりました。保険会社のパートです。働きはじめて半年くらいたったころ、パートの中の一人の女性がわたしに話しかけてきたのです。わたしは、そのとき事務の作業をしていました。 話しかけてきた女性の顔を見ました。するとその女性はこう言いました。 「あらっ、あなたに話しかけてはいけないんだった。赤くなるから」。 わたしは、このころ、人に話しかけられると緊張して、胸もドキドキして、おろおろしていました。いつ自分の顔が赤くなるか?とそればかりを心配していました。話をしても自分の不安が相手に分からないように気をつかっていました。 人の話を聞くだけになると、頭の中がボーッとします。相手の人の顔を見ると「自分の顔が赤くなる」ということが瞬間的に頭の中に思い浮びます。すると、顔にボッと火がついたように赤くなるのです。
わたしの「顔が赤くなる」ということは、22歳のころから始まりました。 会社に勤めるようになって、会社のひとりの男性から仕事のことであれこれアドバイスを受けているときに、自然と顔がまっ赤になったのです。それからは、その男性に会うときまって顔が赤くなりました。かくべつ好きとか、好意をもっているということは何もないのです。 しかし、だからといって顔が赤くなることを苦痛に思い、辛くなることはなかったのです。「若いからこういうこともある」と気にせず、積極的に人と話すようにしていました。顔が赤くなることは忘れていました。 わたしが「顔が赤くなる」という観念がこびりついているのを気にするのは、人の話を聞くだけの時です。
結婚してからは、人が話すのをただ聞く、ということが多くなりました。自分が話をするときは、話すことが頭の中に湧いてくるように思い浮ぶので「赤くなる」ことに気をとられずにすみます。相手の人の話が長くなるともうダメなのです。「赤くなる」といったことは考えずに、相手の話を熱心に聞いて他の考えは、頭の中から追い出そうとするのですが、それができません。 |