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人と話して うまくいかない ニガテという人は多い。 日本語のしくみを 分かって幸せになった物語
わたしは21歳で結婚しました。 今、23歳です。 なぜ結婚したかというと「お人形さんみたいな私」でもいい、気にしないから、と言われたからです。 わたしは、高校を卒業していくつかの店で働きました。 どこの店でも「人間らしくない、ただ服を着て、ほかの人と同じようなしぐさをマネしているだけだ」と言われました。
パンをつくって売る店で働いたことがあります。 レジの仕事とか、出来たばかりのパンを次々に並べるとか、お客が来たらお客への対応を優先するとか、を教わりました。 言われたことはよく分かります。だからいっしょうけんめいに実行します。 ひとつも間違うことはありません。 「あなたは、人間らしくないね。なんだか冷たい感じがする。ただ他の人と同じように動きをマネしているお人形さんのようだ」と責任者の女性から言われました。 わたしは、パン屋も、魚屋も、服を売る店も三ヵ月もしないうちに辞めさせられます。 「人手は足りないけど、あなたはお人形さんみたいだから」。
夫とは、スキー場で知り合いました。誘ってくれる人がいたのです。5人くらいの集まりでした。 ここでも、何人かの人に「お人形さんみたいね」と言われました。 わたしは、どうやら目が動いていないようなのです。 口元だけが動いて話す、自分が話すときはパッと別の方向を向いて話して、また顔を正面に戻す、ということをおこなっているようです。 結婚前の時、夫がそう言いました。
わたしはどうも、他の人とは違うようだと思うようになりました。道を歩いても、他の人の行動と自分の行動を比べるようになりました。誰もがわたしのことを「お人形さんみたい」と思っているのではないか?と思うと怖くなりました。 だから、どこに行くにもスマホを見ながら歩いています。 夫と話すときもスマホを見ながら話します。 「こんなわたしとじゃ迷惑でしょ」と夫に言います。 わたしは、家事をするときもスマホを見ながらおこないます。 入浴するときも、トイレに入るときもスマホを見ています。 夫は、わたしのこういう全てを分かったうえで一緒にいてくださいます。 |