[3758-1] 読むだけで幸せになる手紙・要介護認定600万人のうち、女性が「419万人」(57%)と、圧倒的に多いのはなぜか? 谷川うさ子 2015/08/19(水)16:17 修正済み
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今年の3月に要介護者の「600万人」が認定された(厚生労働省発表)。 内訳は、男性が「187万人」、女性が「419万人」だ。 認知症(痴呆症)も女性が多いという推計だ。 なぜ、女性に「要介護者」(認知症者)が多いのか?
日本人の「平均寿命」は長いが、「自立して生活できる健康寿命」は、男性が9年、女性が13年だという。 この「健康寿命」に当たらないのが「虚弱」(フレイル)というのらしい。
「虚弱」(フレイル)とは、動作が遅い、転倒しやすい、物を持つ力が弱い、などのことだといわれる。ここから「認知機能の障害」とか「鬱病」とか「神経症」が生まれて、やがて「要介護状態になる」と考えられている。
高齢者の衰えが「フレイル」だ。「虚弱」のことだから「運動」と「食事」で予防や回復が可能であるとする。 (平成27年8月16日、日本経済新聞より)
この高齢者の虚弱(フレイル)の説明には、「なぜ、女性が全体の57%を占めるのか?」「なぜ、男性の健康寿命は9年間しかなく、短いのか?男性が要介護状態に陥って早く死亡するのか?」という問いかけはない。原因や理由を考察しようとする観念はない。
『幼児教育の経済学』という本がある。シカゴ大学の教授、ジェームズ・J・ヘックマン(2000年ノーベル経済学賞受賞)が書いた。幼児のころにどのように「教育」という「人的資本投資」をおこなうか?で「国の国際競争力が決まる」という主旨の本だ。 「老いた人間のことを考える」とは、「子どものことを考える」ことと同義だという説明だ。
逆のいい方も成り立つ。 「子どものことを考える」とは、すなわち「高齢者の要介護状態、認知症のことを考えること」と同じである。 多くの日本人には、このような気の遠くなるような論理をたどることはなじまない。 だが、「なぜ、男性とくらべて57%という効率の女性の419万人もの要介護者」(平成27年3月時点)が発生しているのか?は、「幼児のころ」の脳の働き方に原因と理由があるのだ。
幼児の成長、発達の中には、教育のテーマがある。一歳半ごろにあらわす「指さし」だ。まだ物を言わない幼児が、遠くの物を見て、人さし指をピンと伸ばして、無言のままに「あれは何か?」と問う。専門的には「共同指示」という。 親も、幼児の指し示す対象を見る。そして「あれは、スズメよ。チュンチュンって鳴くのよ」と話す。これを「現在母親発話」という。 「目で見ること」(視覚)と「耳で聞くこと、話すこと」(聴覚)が一致して、「共時して働く」という脳の働き方のしくみ(メカニズム)がある。 このような理解の仕方を、ジェームズ・J・ヘックマンのいう「エビデンス」(証拠)を理解するという。 |
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