[3679-1] 読むだけで幸せになる手紙。女性から嫌われているのは目を見て話せないからと気づいた僕 谷川うさ子 2015/03/31(火)09:40 修正時間切れ
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気に入った女性と話をしたい男性は多い。 自信がないと思えば話す勇気がない。 顔ではなく、女性の気持ちを見れば楽しく話せると気づいた物語。
僕は、中学2年生のころから人の目を見て話すことができなくなりました。目を見て話していると、相手の人が目をそむけるのです。おもしろいことを話そうとわくわくしているのに、スッとそっぽを向きます。相手の人が消えてなくなった、という感じでした。
相手の人の姿が消えてなくなることに気づいたのは、小学4年生のころです。 姿が消えていなくなったのは母親です。もちろん本当に居なくなったというのではありません。ちゃんと母親はそこにいます。話をしようとすると顔と目が見えなくなるのです。母親は手元を見ているか、スマホの画面を見るためにうつむいています。 僕は、母親がいなくなったとおもいます。
僕の母親は、小学2年生のときに離婚しました。母親は、離婚したいきさつを話してくれました。僕にはむずかしい言葉が多くて、よく分かりません。話を聞いていると息が苦しくなりました。泣きたい気持ちになりました。泣くと話をしたい母親が困るだろうとおもいました。それでガマンして聞いていました。 そして笑い出したのです。 母親は、「お母さんの話していること、そんなにおかしい?」と言いました。 小学生の高学年までは、友だちと話すとすぐに笑い出すのは、明るい、おもしろいと思われていたようです。でも、学校の先生は冷ややかでした。お腹をかかえて、体をよじらせていつまでも笑うので、ひとりで度の過ぎた笑いの中にいると思われたのかもしれません。
中学2年生になったとき、僕は、友だちが話したらすぐに笑い出す、というのをやめました。友だちに話すときに、ハッハッハッハと笑いながらしゃべることもやめました。 友だちの姿は、消えていなくなりました。誰もいません。 僕は、相手の顔と目を見るのもやめていたのです。 ふいと目線を左の上の方向に向けます。 目の前にいるはずの友だちのかわりに、母親の顔が思い浮びます。早口でとぎれなく話しています。僕は、恐くて心臓がどきどきします。 |
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