[3677-1] ◎読むだけで幸せになる手紙・嫌っていたから嫌われていたと気づいた私 谷川うさ子 2015/03/24(火)14:42 修正済み
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自分は人から嫌われていると思っている人は多い。 嫌われていると思えば、人を避ける。 本当は、人のことは好きだったと 気がついて幸せになれた物語。
わたしは、結婚して3年目になる主婦です。子どもは、2歳になる女の子がひとりです。 購入したマンションに住んでいます。 しつけの厳しい父親が、早く結婚して家を出て行けと言うので、見合いの相手と結婚しました。 夫とは、結婚の当初は、別々の部屋で離れて寝ていました。顔を見て話すことも、笑って夫の話を聞くこともありませんでした。
マンションには、小さい子どもをもつ女性が何世帯かがいます。子どもを、公園に連れていって遊ばせるのであいさつをしたり、話をして「ママトモ」になります。 いつも顔を合わせる若い主婦が2人います。 ひとりは、実家で美容院を経営していたという女性です。わたしはこの人とは気楽に話せます。 ところが、もうひとりの女性のきつい言い方にどうしても合わせることができません。
わたしは、一日を部屋の中で過すようになりました。子どもがまだ小さいので、世話をすると、心が慰められます。 マンションは三階の一室です。ベランダごしに空が見えます。雲の流れや時刻の移りゆきで空の色が変わるのをボンヤリと眺めます。夕方になり、子どもを外に連れて行こうと部屋を出ると、公園のあたりからニガテな女性の声が聞こえてきます。もうひとりの女性の楽しそうな笑い声も聞こえます。 この声が聞こえてくると、頭の中がまっ白になって凍りつくのです。 このままガマンして無理にでも公園に行こうかと思います。 そのニガテな女性が、横目でまるで嫌なものでも見るように、目を細めてじろっと見る表情が思い浮びます。
わたしはよっぽど嫌われているんだなと思うと、涙が出てきます。買い物に行くときは、どこの家でも夕食の仕度をする時刻にこっそりと、人目をしのんで出かけます。ほんとうは、サングラスにマスク、顔を半分包みこむマフラーを首に巻きつけて、あたりをうかがって部屋を出たいのですが、まだ、さすがにそこまでは実行できないでいます。 そのかわり、スマートフォンのアプリをじっと見ているフリをして、まわりのことに気がつかないことにして出かけます。
わたしは、友だちがいないので辛いのではありません。あの人は、友だちがいない人なんだね、と思われるのが悲しくて辛いのです。独身で仕事をしていたころは、お昼ごはんをいっしょに食べる人がいないので、ずっとお昼ご飯を食べずにすごしました。みんなが、スマホの画面を見ながらも、お互いに時々、顔を見合わせて楽しく話しているのを見ると、うらやましくてしかたがありませんでした。 |
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