[3673-1] 読むだけで幸せになる手紙・人の話がよく聞き取れなかったけど、お話上手になった物語 谷川うさ子 2015/03/10(火)14:13 修正時間切れ
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日本人は自分のことを話すのは好き。でも、人の話すことはすぐ忘れる。誰も気がつかない聴覚障害を克服した女性のステキな物語
わたしは、スポーツが好きな女性です。学生時代は陸上競技の選手でした。 走るのは好きでした。中学生のころからいっしょうけんめいに練習しました。 大学生になると大きな大会にも出場していい成績をあげていました。 わたしは、ひとりで自己流でトレーニングをしていたので椎間板ヘルニアになりました。 治療して治りましたが、運動をするのがこわくなりました。
社会人になると新しい悩みがおこりました。 人の話を聞くと、声はよく聞こえるのですが、話されていることがよく聞きとれないのです。なんども聞きかえすと、相手の人は気分を悪くします。 たしかに、わたし自身も、「は?」「はい?なんとおっしゃいましたか?」と聞き返されると、不快になります。自分の話したことが否定されているように思えるからです。 自分の話を心から関心をもってもらえていない悲しみも起こります。 わたしは、よく聞こえなくても、分かったフリをするようになりました。
仕事の中で困るようになりました。分かったフリをすると、指示されたことのいくつかが実行できません。上司からなんども注意されました。 「あなたは、苦労知らずで育ったでしょう。家では、ぜんぶ人まかせで、何も手伝ったことがないのでは?」 自分のことでも、人事のようにのんびりと、おっとりと見ていて、自分からは何もしない人だと思われているようです。 わたしは長女なので、家では家事のほとんどをおこないます。家事で失敗することはありません。 仕事の中で、人から言われたことだけにミスが起こります。
わたしにも恋人ができました。一年間の交際でした。 その彼は、よくお話をする男性です。いろんな話題を豊富にもっていて、いつまでもよくお話します。 わたしは、この彼の話すこともよく分かりませんでした。 よく聞きとれないので、彼の顔の近くまで耳を近づけて「はい?」「なんと?」と聞きかえします。 彼は、話すのをやめました。「もう会うのは止めよう」と宣告しました。
ポルソナーレのアドバイスです。 三月庭百合子さん(28歳・仮名)のお手紙です。 日本語は、人間の五官と知覚にむすびついている言葉です。 子どものころに一人遊びが多くて、まわりの人との会話が少ない人は、五感覚のうちの聴覚の働きが学習不足になります。一人遊びは、ひとり言が多くなります。ひとり言の言葉は聴覚に見えて、じつは触覚の働きがつよいのです。手で触ったことは分かるけど、少し離れたものは見てもすぐに忘れます。日本人の脳の働き方は短期記憶中心だからです。 長期に記憶する脳の働きには、聴覚の能力を鍛える必要があります。それは「脈絡を聞きとる」「場面や状況を次々に思い浮べる」という聴覚の能力です。 |
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