[3662-3] 谷川うさ子 2015/02/06(金)15:51 修正時間切れ
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松山健一さん(38歳・仮名)は、大学院で宇宙物理学を学びました。大手のテクノロジー制御システム部で、メンテナンスや不具合の修理を担当している技術者です。 大学院ではよい研究をして、将来を嘱望されてきました。高収入を提示されたので現在の会社にお世話になると決めたのです。 「機械のコンピューターの修理とか不具合の改善は、プログラムや作動の電気系統を即座にイメージして、発生した問題の原因をとらえることが重要です。わたしはひとりで問題の個所を見つけたり、解決に当るのは落ちついて取り組めます。入社してからずっと、研究感覚で仕事をしてきました。 ところが、周りの人がいると、焦ってきて非常な重圧を感じます。周りの人の目がとても気になります。そんな筈はないのに自分が何かミスをしたのではないか?何かを指摘されるのではないか?と、オドオドして、やがて頭の中がまっ白になるのです」 松山健一さんは、大学院時代には、二人の優れた先輩から気に入られて有益な助言をもらえました。先輩の山田八郎さんからは研究資料の見つけ方やインターネットでの検索の仕方を学びました。 「この分野では、今、誰が最も優れているのかを見つける、その人の研究を初めから読んでたどってみるといいですよ」と言います。その人が見ている位置から研究対象が見えます。その人が気づいた課題も学べます」。 このアドバイスは松山さんに大いなる自信と明るい勇気を与えてくれました。 先輩の阿部秀一さんは、英文でのプレゼンテーションをどうおこなうか?の書き方やアピールの仕方をアドバイスしてくれました。「一方的に良い点だけを強調すると、飾りすぎて出来過ぎだと見られます。自分の研究の利点と不足点を明確にして、不足点の改善のメリットや解決の仕方も提示すると公平性、合理性をアピールできます」。 松山健一さんはこの二人の先輩を師として研究をつづけました。自分でも意外なことにいくつかの企業から高給の提示を受けるほどに高く評価されて熱心に入社を誘われたのです。 「お客さんの話をしっかり聞かなければならない、後輩が見ている中で仕事をする、上司にも報告の説明をしなければならない、これらのことにとても緊張するのです。 人が見ているところで質問されると、話されている言葉を次々に忘れます。 話し言葉のところどころしか記憶できないのです」 松山健一さんは、仕事の中の会話では何か大事なことを記憶できていないのではないか?次々に消えていく話し言葉を、脈絡とか、物語の筋立てを思い浮べるように聞けない、頭の中のイメージにはいくつもの空白が生じて泡が浮んではじけるようだと言っています。相手の話す言葉の音声はたしかに耳に入ってきます。 話されている言葉の一つ一つが、花、実、葉、枝というように形が鮮明なイメージとして思い浮ばないのです。 電波の届き具合のよくない場所で携帯電話で話すときに、相手の人の言葉はとぎれとぎれに聞こえます。同じように人の言葉が曖昧で、はっきりしなくなります。 松山さんは、日本人の男性の多くがそうであるように、丸暗記と内扱いの脳の働き方の体験を説明しています。 日本人の男性は、日本語が已然と未然の文法であるために、ブローカー言語野・3分の1のゾーンの主観の領域で勉強をします。仕事もします。 男性の欲の脳の視床下部の「背内側核」は性の欲の中枢です。 GnRHという性欲の王者のようなホルモンを分泌します。 この性欲は「空間認知」の機能をもっています。性欲の対象は女性です。 対象は女性だと分かるように、どんなことでも行動の対象を目、耳、手の五官の知覚で「認知」します。 ですが、「認識」するわけではないのです。性の欲の助成を認知しても、A子さんとB子さんの違いとは?を分かる認識の機能はありません。 だからひたすら丸暗記して自分の行動を立ち上げるしかありません。対象は、女性にしろ、勉強の知識であるにせよ、仕事の知識も何でも、行動することです。行動すれば対象と自分がつながります。 男性の丸暗記の仕方は二通りです。一つは、職人のように技術を丸暗記する。知識を丸暗記して行動を可能にするタイプ。 もう一つは、人にしゃべる話し方を丸暗記する。行動は二の次。おしゃべりという行動を可能にして人に命じたり説明をするタイプ。 |
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