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●恋愛にとって「性の関係」とは何か?
次に、「第三位の性の関係」という《媒介》とはどういうものか?をくわしくご説明いたしましょう。 「恋愛」といえばまず、「性の関係」があってあたりまえのようにおもわれているからです。しかし、すべての「恋愛」に「性の関係」が量・質ともに画一的に成り立って持続するか?と考えてみれば、恋愛の事実を観察すると「性の関係があってあたりまえである」とは断定できがたいようにみえます。 そこで、ここで問題を根本からとらえなおしてみることにします。すると、「恋愛」にともなう《媒介》の「性の関係」については、最小限、つぎのことはまちがいなくいえるでしょう。
(1)恋愛にとっての「性の関係」とは、「性の関係」が事実として発生しているか、あるいは発生の見込みや予定があるかどうかはともかく、《性の関係》の対象として、お互いが、相手を特定化することである。 (2)恋愛にとっての「性の関係」とは、「性の関係」が事実として発生したり、継続しておこなわれることよりも《性の関係の対象》として特定化することに根本の本質がある。このことは、《性の関係》の体験の事実から生まれたお互いの「観念」に「性」の意味や価値がある、ということを示すのである。 (3)恋愛の中の「性の関係」の体験の《事実》から生まれた「観念」とは、これを「心的な性の関係」という。あるいは「性の心的な関係」といってもよい。 (4)「性の心的な関係」は、そこに《事実》として「性の関係」(性行為)が生じたかどうかはどうでもよくて、「自分は、相手にとって性の関係の対象である」「相手は、自分にとって性の関係の対象である」という《行動》による表現の一致、もしくは《言葉》による表現とその了解が成立していれば、恋愛としての「性の関係の本質を形づくる価値が生まれる」ということになる。 (5)お互いが「自分は、相手にとって性の関係の対象である」ということが、「性行為」の事実がない場合でも、《行動》による表現で了解の一致をみるということは何か?それは勉強とか仕事といった社会的な知性の相互交流が無くて、時間や空間の中の行動をただ《消費》するという場合である。これはふつう「デート」とか「会う」とか言われているが、ただ話すだけ、ただ飲食を共にするだけ、ただ一緒に歩くだけ、というようにあらわされる。時間や空間の中の行動がくりかえされて《消費》されるときに、「性の心的な関係」が発生する。 「デート」や「会うこと」は何のためにおこなわれるのか?というと「脳幹」からドーパミンが分泌して発生して、「右脳」にドーパミンによる快楽状態をつくり、「期待される性の快感によって、なおドーパミンの分泌を促進する」ということが無意識の目的になっている。 したがって、デートをしたり、くりかえし会って「時間や空間」の中の行動が「消費」されていれば、ここに性行為の体験が無くても、「性の心的な関係」が発生したのである、と定義づけられる。 (6)「恋愛」の中で「性の関係」が発生するのは、「右脳」が単独ではなくて「左脳」の関与によってドーパミンを分泌させてゆきわたらせるためである。(注・右脳が単独でドーパミンを分泌させる場合は、妄想である。) この性のドーパミンは、女性にとっては《心臓》の房室結節、洞房結節に伝わってきた緊張の解体や、《心臓》の自律神経の副交感神経が緊張を吸収する幅を広げる、という効果をもつ。 男性にとっては、「性の関係」から生じたドーパミンによる緊張緩和、ならびに解体は《心臓》には到達せず、「左脳」によって「右脳」に分泌されたノルアドレナリンを解体する、という効果だけに限定されている。 女性と男性に共通する「性の関係」から生じたドーパミンの効果は、「左脳」によって「右脳」に分泌されたノルアドレナリンを解体する、という効果だけに限定されている。 女性と男性に共通する「性の関係」から生じたドーパミンの効果は、「左脳」によって「右脳」に分泌されたノルアドレナリンを解体する、ということだけである。 (7)したがって、「恋愛」の中で「性的な関係」が発生してここから「性の心的な関係」が生み出されるということは、女性にとっては《心停止の不安の解消》と《左脳・右脳のノルアドレナリンの解体》という二つが目的と必要性の根拠になる。 また、男性にとっては《心停止の不安の解消》はどうでもよくて、《左脳による右脳のノルアドレナリンの解体》だけが目的となる。 このことは、「恋愛」がスタートすればまず「心的な性の関係」が男、女の双方に発生するが、次に、この「恋愛」の関係の中で「性の関係」(性行為)が体験されるか、どうか?は女性と男性の両方で目的と必要性の根拠が心的な次元で一致しなければならない、という法則性がなりたつ。 それは、女性にとっては、初めに《心停止の不安の解消》が目的と必要性になるから、性器の接合の反復を男性の側から提示してくれること、次に、《左脳》の働きがもたらすノルアドレナリンを解消して《右脳》にドーパミンを分泌させてくれる、という目的と必要性である。 男性にとっての必要性は《左脳》の働きによるノルアドレナリンを解消して、《左脳》の働きによる《右脳》の働き方にドーパミンを分泌させてくれることだけが性行為の目的の全てになる。 |