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まず、Pさんのご質問にお答えすることからはじめます。Pさんは「自分のどこに問題があって、結婚まで考えた恋愛がうまくいかなかったのか?今、思い出しても胸が痛む」と書いておられます。このPさんの問いかけにお答えするのはさほど難しいことではありません。 ポルソナーレは、恋愛については設立については設立の当初から解明してお伝えしておりますが、「恋愛」が成立するには、橋渡しとなる《媒介》が必要です。この橋渡しとなる《媒介》が無ければ、向い合っている「女」と「男」はただの無関係な通りすがりの「他者」です。あるいは、たまたまその場の「空間」に居ることを共通の「体験」にしている、偶然という一過性の時間を共有するだけの関係でしかありません。 このような立場の「男」ないし「女」のいずれかが、相手の身体か、あるいは相手の観念に向けて何の了解も合意もなく「触る」とか「話しかける」ということをおこなえば、それは刑法一七五条違反の暴力行為か、社会不適合の病理の行動のどちらかになります。「社会の規範」の制約や限度を取り除いて、「男」と「女」がいっしょにすごす時間の体験を共有したり、相手の身体に性的に触るということが成り立つには、会話を通して「橋渡し」となる《媒介》が提示され、これを承知する、という合意がなければなりません。 この「橋渡し」となる《媒介》はかならずしも「性的な関係をとりきめたい」という申し出と合意ばかりではありません。いずれ性の関係が成立して、くりかえし反復されるか、あるいはキレギレになるか、数ヵ月ないし数年に一回という性の関係になるかはともかくとして、お互いが「相手」を「性の関係の対象とする」と限定して特定化するという意味と価値を持っている《性の関係性》を支えるためには会話をとおした《媒介》があるのです。会話によって成り立つ《媒介》と、意味と価値の高い優先順位から並べてみるとこんなふうになります。 |